日向時間
「日向時間」とは、宮崎県人ののんびりした気質を表す言葉だ。
集合時刻になってやっと自宅を出るというようなルーズさ。また他人のそういったルーズさを寛大に受け止めるというような。
要するにおおらかというか、怠惰な気質のことを言うのだ。
ぼくは宮崎生まれの宮崎育ちで、体内時計は日向時間に設定されているので、うっかり東京に住みだした18、19歳くらいの頃は、都会のせわしないリズムに合わせていくのは大変な労働だった。(リズムが合わなくて、新宿駅の人混みを全く歩けなかったことをよく覚えている。)
今でこそ都会のペースに慣れたものの、用事をギリギリまで先送りするという怠惰な気質はそうそう変わらない。時には締め切りを超えて、人に怒られて、やっと取り掛かるといった生粋の怠け者なのだ。
最近では、会社に提出するマイナンバー関連の書類を、締め切りを2週間超えたところで怒られて、やっと提出した。
測量士補試験の申し込みをずるずると先延ばしにして、締め切り最終日の郵便窓口が閉まる直前にやっと申し込みをした。
まあその辺の管理能力はお粗末なものだ。
でもそういう風に誰かが怒ってくれるとか、厳格な締め切りがあるとか、そういうリマインダーが働いているものはまだいい。時期がくれば強制的に完了して、脳みそから出て行ってくれるわけだから。
問題だなーと思うのは、締め切りがなくて、誰にも指摘されないもの。ただ単に自分が気になって、脳の片隅にメモリとして居座っている案件。
そういう案件は、自力で処理しないといつまでも脳に居座って、無駄にメモリを食うので気をつけないといけないと最近強く思うようになった。
例えば、最近ぼくの頭の中でメモリを食っている案件は、
駅近くにできた新しい喫茶店。太極拳。電車の旅。
座禅。ホットサンドメーカー。など。
こういうのは、何もしないで頭の片隅に置いておくと、無駄にメモリを食うだけじゃなくて、頭の中で腐ってくる。
気になる店にはさっさと行ってみればいいし、太極拳や座禅は1日体験があるか探してみる。電車の旅にはすぐに行けなくても、関連した本を読んでみる。安いホットサンドメーカーを買って、試しに作ってみる。とか。
実際に動いてみて、新たな情報に更新していく。いらない情報は捨てる。
そうやって脳みそのメモリを解放しないと、古い情報を抱えたまま、ただただその場で足踏みしているような、そんな不毛な日々になってしまうと思うんです。
まあ、今は子どもの世話が優先されるので、脳内メモリ溜まりっぱなしなんだけど。